ガチフロ点眼液0.3% 1日右眼4回点眼
※手術3日前から点眼指示あり。
上記のような処方内容はよく眼科で見かけるが、どういう手術を行うのか服薬指導した際に聞いたところ加齢黄斑変性症の眼球注射を行う予定ということが分かった。今回、加齢黄斑変性症の疾患と治療法について調べた。
滲出型加齢黄斑変性症では、黄斑部の網膜の変化により脈絡膜新生血管が発生することで、網膜の障害をきたし、視機能に異常を生じる。具体的に症状としては、中心が暗く見える中心暗転、ものが歪んで見える変視症、これらが進行すれば高度な視力低下をきたす。脈絡膜新生血管の発生・発育に最も大きな作用を及ぼすのがVEGFである。
治療法としては、病変部が中心窩または中心窩近くであれば抗VEGF療法と光線力学的治療がある。病変部が中心窩より遠ければレーザー光凝固がある。
抗VEGF療法は、脈絡膜新生血管の成長を促進するVEGFの働きを抑えることで脈絡膜新生血管の増殖や成長を抑制する。VEGF阻害薬として、ペガプタニブナトリウム、ラニビズマブ、アフリベルセプトがあり、全て注射剤である。注射後の感染予防のために、ガチフロ点眼液が手術3日前から点眼指示がある。
一方で、光線力学的治療(PDT)は光線力学的治療用製剤であるベルテポルフィンが特定の波長の光線で活性化する物質で、静注後にレーザーを照射することで活性化して細胞障害性の強い物質を産生し、新生血管を損傷して閉塞する。