バセドウ病 メルカゾールとβ遮断薬の併用

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    美佳 栗原栗原 美佳
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    メルカゾール5㎎ 1T分1 35日分
    レボチロキシン25μg 1T分1 70日分
    カルベジロール1.25mg 1T分1 70日分
    ※メルカゾールは1日おき内服

    上記の処方で今まではメルカゾールとレボチロキシンの2剤だけ併用している患者さんは見たことがあるのですが、なぜカルベジロールのような血圧の薬が処方されているのか気になったので調べました。

    抗甲状腺薬は、新たな甲状腺ホルモン合成を阻害しますが、甲状腺ホルモンの分泌は抑制しない。そのため、すでに甲状腺内に貯蔵されていたホルモンが血中に出続けるために、ある程度の時間(1~2ヶ月)が必要なので、自己判断で服用を中止しない。そのため、抗甲状腺薬の効果が現れるまでには時間がかかる。その間、甲状腺ホルモンの心血管系に対する直接の作用による頻脈(脈が速くなる)や不整脈の改善はされない。そこで、β遮断薬を不整脈や頻脈の治療の目的で併用する。通常、抗甲状腺薬が効果を現すと頻脈や不整脈の症状が改善され、β遮断薬は中止となる。しかし、甲状腺ホルモンが正常化しても不整脈が改善されない場合は、不整脈の治療は継続される。

    今回の処方はαβ遮断薬のカルベジロールだったが、β遮断薬のプロプラノロールやアテノロールが処方されることが多い。
    また、気管支喘息んの患者さんはβブロッカーにより、発作を誘発してしまうことがあるので使用できない。その場合はCa拮抗薬により脈拍コントロールを行う。

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