男性に対する乳がん治療について

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    朱音 狩野狩野 朱音
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    乳がん治療薬としてレトロゾール錠が処方されている場合が多いのですが、男性に対しても処方されている事例がありました。男性の乳がん治療というのはあまり関われる機会が少ない疾患だと思い、使われる治療薬について調べてみました。
    (日本乳癌学会HP参照)

    男性の乳がん患者の割合は1%未満と少なく、ほとんどは女性である。またその発生には遺伝的要因が大きいとされている。
    治療の考え方は女性乳がんと同じである。予後に関しても大きな差はないと言われている。
    術後薬物療法で用いられるのは抗がん薬、ホルモン療法薬、抗HER2薬であるトラスツズマブの3種類がある。術後ホルモン療法としては、アロマターゼ阻害薬についてはデータが乏しく、副作用などの観点から、タモキシフェン投与が困難な場合を除いてタモキシフェンの投与が勧められる。また、術後化学療法としてHER2陽性乳がんの場合は、女性乳がんの場合と同様に抗HER2薬であるトラスツズマブの使用が勧められる。
    再発・転移した場合、ホルモン受容体陽性乳がんには,最初の治療としてタモキシフェンが勧められ、効かなくなった場合にはアロマターゼ阻害薬やフルベストラントなどの使用を考慮する。LH-RHアゴニストを併用すべきかどうかは現在のところ定かではない。HER2陽性の場合には抗HER2薬であるトラスツズマブなどと抗がん薬(化学療法薬)の併用を検討する。
    今回のようにホルモン療法を行なっている場合、副作用としてのぼせやほてり、下肢のむくみや痺れ、頭痛といった症状の有無を確認する必要がある。

    #540

    返信の投稿がだいぶ遅くなり、申し訳ありません。

    記載の通り、男性の乳がん患者の割合は1%未満と言われていることからも、大変少ないのですが、大和深見西薬局での男性乳がん患者は4名ほど居りました。その内1名は電子薬歴が始まる以前より治療しており、初回治療まで追うことは出来ませんでしたが、残り3名は全てタモキシフェンで治療を開始していました。この内2名は現在レトロゾールが処方されています。

    ネット検索で見つけたものですが、タモキシフェン治療を行っている男性乳癌患者の副作用症状は女性とは異なるようです。症例数が絶対的に少ないので何とも言えないかもしれませんが、その副作用症状の上位2つは体重減少と性機能障害であったとのことで、女性のようなホットフラッシュはあまりみられないようです(https://www.mdanderson.org/newsroom/tamoxifen-side-effects-in-male-breast-cancer-patients.h00-158676579.html)。

    稀にしか出会うことの無い症例だと思いますが、狩野さんがせっかく調べられたことなので、このことも追記しておきます。

    大和深見西薬局 宮﨑

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